歯科エアスケーラー

歯科エアスケーラーは、診療ユニットのエアー（圧縮空気）を利用して振動を発生させ、歯石やプラークを除去するための歯科用クリーニング機器です。超音波スケーラーと同様にスケーリングに使用されますが、構造がシンプルで価格も比較的抑えられるため、導入や交換がしやすいのが特長です。

【主な用途】
軽度～中等度の歯石除去（スケーリング）
歯周ポケット内の洗浄とメンテナンス
インプラント周囲のプラーク除去（専用チップ使用時）
一般的な予防処置や定期検診での清掃

【分類（代表的な仕様）】
カップリング接続式：NSK・KaVo・W&Hなど各社スカップリングに適合するモデル
一体型タイプ：ホースに直接接続し、軽量で取り回しやすいモデル
光付きタイプ／光なしタイプ：LED内蔵で視野を確保できるモデルあり

【作動原理】
診療ユニットから供給される圧縮空気を内部の機構で振動エネルギーに変換し、チップ先端に機械的振動（毎秒2,000〜6,000回程度）を発生させます。この振動により歯面に付着した歯石やバイオフィルムを物理的に除去します。超音波よりも振動数が低めでパワーも穏やかなため、使用感がマイルドで、患者にも優しい処置が可能です。
【選定時に確認すべきポイント】
接続方式とスカップリング対応（NSK／KaVo／W&H／汎用など）
チップの互換性と種類（歯石除去／歯周ポケット用など）
注水・スプレー機能の有無と冷却効果
LED照明の有無（視野性・快適性向上）
本体の重量・グリップ感（長時間操作の負担軽減）
オートクレーブ滅菌対応かどうか

エアスケーラーは、構造がシンプルで導入コストが低く、手軽に扱えるクリーニング機器として、特に予防歯科や訪問診療などでも活用されています。使用頻度や処置内容、接続システムに応じて、適切な仕様を選定することが重要です。